寄生者

稲の成長とともに、葉っぱを食べにいろんな虫がやってきます。
いろんな幼虫も。代表的な幼虫は、稲ツト虫、ニカメイチュウなど。
そんな幼虫(イモ虫)に寄生して生きる虫たちがいました。

d0021152_14141783.jpg小繭蜂(コマユバチ)の仲間です。
小繭蜂は、寄生蜂。

「寄生蜂」ってなんでしょう?
それは、
幼虫や蛹など生きた虫に産卵する蜂。
調べてみると...
未知の世界が広がります... コワイヨ。


蜂は、寄生する奇主(幼虫)の葉の食べ痕で、
その触角で、奇主が「いるな」と感じ、やって来て、奇主のカラダに産卵する。
卵とウイルスをすばやく産みつける。
奇主はそのウイルスの作用で、異物が入ったことに気づかない。
そして、卵は奇主の体内で孵り、
寄主を殺さず、かつあまり元気に生かさぬようにしながら、栄養を吸収して育つ。
奇主は元気もりもりに葉っぱは食べられないように=抵抗力がつかないように
蜂にコントロールされている。
そうして、蜂は生きるに最低限必要な栄養を奇主から受けて成長する。

そして...ある日とうとう
奇主のカラダを破って寄生蜂の幼虫たちが出てくる。
そして個々に繭を作り始め、幼虫たちはこの繭の中で蛹になる。
しかも、寄主である幼虫は、もちろんお亡くなりなってしまうのだけれど、
蜂の幼虫がたちが出たあとは、そこから動いて移動する(どいてくれる)のだそうだ。
それも蜂のコントロール...
そして、羽化した蜂は、また新たな寄主をみつけてゆくのです。フフフ...

...こわい話です。すごいです。

そしてさらにすごいのは、植物=稲!(なのかもしれません)。
寄生蜂が来てくれたら、奇主の幼虫は、もりもり葉っぱを食べられなくなるので、
植物は、自分(葉っぱ)が食べられてしまうことが少なくてすむのだ。

奇主の幼虫の食べ痕を触角で感じる寄生蜂。
植物が幼虫に食害されると、なんらかのシグナルを出し、寄生蜂を呼ぶのだそうです。
食害された植物が、寄生蜂を必要としているということ。

...ので、稲作をする人にとっては、
奇主の幼虫が、害虫。寄生する蜂が、益虫となるのです。
食うか食われるか、入り交じるバトルがあったのでした...

d0021152_1915890.jpg
こちらは、ヤドリ蝿の仲間の蛹。→
稲ツト虫に寄生するそうです。

参考HP 寄生バチをめぐる三角関係

こんな本もあるようです。
「寄生バチをめぐる「三角関係」」
高林純示・田中利治著 講談社

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by tutinokai | 2006-07-09 14:13 | いのちの環
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