生きるための術

緑のカマキリがいます。茶色のカマキリがいます。

同じ種類のカマキリでも緑のものも、茶色のものもいるということは、
以前に記しましたが(「鎌切 カマキリ」土の会white 2005.8)、もう少し調べてみました。

d0021152_2381744.jpg「昆虫界の肉食恐竜」、
なんていわれたりするカマキリですが、
一つの卵塊のなかから生まれる子どもの数は
約200匹にもなるといわれます。

それだけ、強そうなカマキリであっても、
他の虫に狙われやすいということ。
子どものカマキリはもちろんだけれど、
大きな体に成長した強そうなカマキリでも、
空から来る鳥は、最大の天敵。
危険は常につきものです。 鳥は、目で物を見て獲物を探しています。

さてカマキリはどうするか?
カマキリの戦略は... カマキリは、色の産み分けをするのです。

d0021152_2383772.jpgオオカマキリは、
緑と茶色のまざっているのもいるが、
それ以外の日本のカマキリの成虫は、
緑、茶色のどちらか一色。

春先、草や木が芽吹き始める頃、
生まれたばかりのカマキリの赤ちゃんは、
クリーム色。
きっと枯れ草色の幼生の方が、
天敵に襲われるリスクは少ない季節。

そして、脱皮を重ねながら、緑または茶色の成虫になる。
枯れ草にいる緑のカマキリは、緑の草にいる茶色のカマキリは、
天敵の鳥にみつかってしまうでしょう。

カマキリは、その短い一生を生きる為に、周囲の色に合わせるという複雑なしくみより、
天敵の鳥にみつからない、
そしてまた、周囲の色と同じ体の色をもち、自身の狩りを有益にする、
そのために、沢山の子どもを産み、緑と茶色の体を半分ずつにすれば、
いずれかのカマキリは周囲の色に合って、生を繋いでゆける...
という方法をとったのです。

だけど、さすがの卵を産む親カマキリも、
その子ども達が過ごす、来年の夏を、その気候の動向を予測して、
緑が多い方がいいか、茶色が多い方がいいか、ということは、
緑の親であっても、茶色の親であっても予測することはできないので、
緑っ子、茶色っ子をちゃんと半分ずつ産むのです。

「多産」にすること、
そして、「先天的に適当に色がばらけて運がよかったものが生き残る」作戦。
(成虫に近づくにしたがって脱皮したときの周囲の色に合わせてゆくとの説もあります)

d0021152_2385019.jpgこうして、
カマキリを始め、生きものたちは、
この地球で「どう命を繋いでゆくのか」を、
様々な知恵を持って生きている。

しかし、人間は、人間同士で戦い争い、
「同じ人間をどう殺すか」の
頭脳に、科学に、まだ身を置いてはいないか。

「生きるために」 
この小さな生きものたちの方が、
カマキリも人間も暮らす、この地球号の行方に先見の名を投じているようにも思えたり...
人間はそのもたらされた頭脳をつかって、
生きることに新たな価値観(あるいは古き良き暮らし)を創造し、
奪うことではなく、
「いのちを守る」という一番大切なことに立ち返るべきではないのかな。

きっと、カマキリも言ってます。
「人間はちとでしゃばり過ぎたヨ。おんなじいのちでしょう」って。

d0021152_22315439.jpgそう、カマキリの名は「祈り虫」。
そう祈っていたりして!?

...ってやっぱりコワイです...

(胸の前でカマをそろえて静止する
独特のスタイルは、「祈り」を連想させ、
日本ではカマキリを「おがみ虫」、
英名でも「Praying mantis(祈り虫)」と呼ばれる。)

もうひとつのカマキリの記事 「hunter」土の会white 2005.9
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by tutinokai | 2006-08-08 15:14 | いのちの環
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