ゾウさんの一生

稲水象虫(イネミズゾウムシ)の一生を調べてみました。

稲水象虫は、アメリカからの侵入害虫。
1975年に愛知県で発生確認。現在は全国区。
元は湿地のイネ科、カヤツリグサ科の草に生息していたが、米作の普及で害虫化した。

天敵は子守蜘蛛。蜘蛛は、田んぼ(稲)を守ってくれる益虫です。

d0021152_1426160.jpgまずはおさらい。
「稲水象虫(イネミズゾウムシ)」
象のような鼻の長い口を持ち、
稲につくのでこの名がついた。

稲象虫と、稲水象虫がいる。
稲象虫 → 山間の田んぼ。泳げない。
稲水象虫 → 平地の田んぼ。泳げる。


ゾウさんは、畦や、雑木林などの枯れ草や落ち葉の下で成虫で越冬するのだそうです。
そして、春(4月下旬〜5月上旬=田植え前)に、越冬していたゾウさんたちは活動開始。
イネ科の雑草(ネザサ、チガヤ、ススキなど)の新葉を食べ始め、
田植えが始まると、いよいよ田んぼに引っ越してきます。

d0021152_14134814.jpgゾウさんは、やわらかい若い葉が大好きなので、
苗代の苗は大好物。
苗代は大にぎわいです...
苗が小さい分、
田植え後すぐの食害の跡は目立ちます。

       (photo / ゾウさんの食害痕)
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そうして、
稲など約2週間もりもり食べると、
越冬ゾウさんの産卵が始まります。

産卵は1ヶ月から2ヶ月。
水面下の稲の葉鞘内に1個ずつ卵を産み付ける。
1日に1,2個ずつ、1頭あたりの産卵数は50個。

d0021152_1414856.jpg孵った幼虫は稲の根の内部を食べてしまう。
ゾウさんの害虫たる理由は、
早苗の越冬成虫による葉の食害と、
この幼虫による根の食害。


(photo / 葉っぱの上に浮かぶゾウさん →)

(photo / 雨水の雫に包まれたゾウさん ↓)
d0021152_14143235.jpg幼虫は4齢を経て、稲の根に土繭をつくる。
発育日数は約、卵7日/幼虫30日/蛹7〜14日。

そうして新成虫ゾウさんは7月中旬頃より出現。
しばし稲株で過ごし、
成長の遅い葉(=やっぱり若い葉)を食べる。

8月下旬にはまた、越冬場所への移動し、
雑草を食べたのち、休眠に入り越冬する。


ゾウさんは、お米そして、稲作のサイクルとともに、生きていることがわかりました。
田んぼにいる生きものたちは、みんなそうです。
ゾウさんは、害虫さん。
だけど、いろんな生きものたちと一緒の田んぼがいいね。

「食うか、食われるか」土の会2005.6
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by tutinokai | 2007-06-10 14:06 | 田んぼの生物
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