カテゴリ:いのちの環( 57 )

生きる知恵

4月、田んぼの畦草は小さな花々を咲かせています。
小さな虫たちもやってきました。

d0021152_1648237.jpgテントウムシの幼虫
この時期、ハハコグサなどにいる
アブラムシを食べにやってたようです。

ナナホシテントウ(七星天道)の幼虫。

手にとると、すばやく動く幼虫。
成虫のお天道さんは指先めざして(高い方高い方へ)移動しますが、
幼虫は高い低い縦横無尽。

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「あっ!」
幼虫が手から落ちて下の田んぼへ。
田んぼには少し水が張ってあります。

幼虫が落ちた瞬間、0.コンマ何秒の瞬間に、
幼虫に飛びかかった生きものが!!

「ええッ!」

そしてまた、1秒もしないうちに
その生きものは幼虫から飛び去って逃げてゆきました。

「なんで!?なにがあった??」

幼虫は、からだをくねらせて水面を泳ぎ、畦土に辿り着きました。

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ナナホシテントウの幼虫に
飛びかかったのは
キクヅキコモリグモ(菊月子守蜘蛛)たぶん。
頭胸部中心の腹部寄りに黒い縦線が特徴です。

なぜ、
テントウムシの幼虫を食べずに逃げたのか。
それは、
私の手のひらをみればわかることでした。

黄色い液が手にいくつかついていました。
この液は、足の関節から出ていて、
アルカロイドという物質が含まれ、特有の臭いと苦みがあり、
小鳥やアリなどはこの液を嫌う、とのこと。
この成分を出すことで、テントウムシは捕まって餌にされてしまわないのです。

コモリグモも、ナナホシテントウムシの幼虫には、
お手上げだったのでは?と推測できます。

ほんの数秒の生きものたちのドラマ。
すごいものをみました。
生きものたちはいつも生死と隣り合わせ。
けど、それぞれにたくましいなあと思う出来事でした。


けっこう、テントウムシについて書いています。
「母なる草 ハハコグサ 〜天道虫編〜」2007.5
「テントウ虫」2005.5
「冬のおてんとさん」2005.10
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by tutinokai | 2009-05-02 16:04 | いのちの環

田んぼのなかにヒルがいるという豊かさ

生きものは、必ずそこにいるのにはワケがある。
田んぼのなかの生きものたち。いつみても発見がある。
みつめればみつめるほど、あたらしい出会いがある。

「イヤだな〜」と他では思うかもしれない。
だけど、田んぼのなかで出会うと、こう思う。
「生きものは、必ずそこにいるのにはワケがある」
だから、「イヤだな〜」より、「なんだろう?なぜだろう?」
田んぼだと、なんでも平気だから不思議です♪

そこから始まる。今年の発見の物語。
「ヒル」 みつけました。
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同定はむずかしいのですが、
「チスイビル(血吸蛭)」か「ウマビル(馬蛭)」
と思われます。

チスイビルは、
もともと人間の血が主なのではなく、
水の中の昆虫の血を吸うのが本来。

d0021152_2139336.jpg一方、ウマビルは、
吸血ではありません。
(そもそも血を吸うヒルは数十種いるうちの
3種だそうです)

 にゅ〜っと、細身になって伸びたヒル!(→写真)


d0021152_21392123.jpgチスイビルやウマビルがいるということは、
それだけ、生きものが多いということ。

ウマビルが、サカマキ貝やモノアラ貝を食べたり、
チスイビルは、アメリカザリガニに食べられたり。

田んぼのなかの小さな生きものたち。
そうしてめぐりめぐっているいのち
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by tutinokai | 2008-06-01 16:25 | いのちの環

日々精進

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田んぼのなかに
なにかを結んでいた藁縄がみえます

水たまりのなかには落ち葉

刈った稲株


藁縄と落ち葉は、田を肥やしてくれる

刈った株の根は、赤褐色をしている。
根が出した酸素は土の鉄分とで酸化し、酸化鉄になる
赤茶けた水、土はその現れ。

そうして根は酸化鉄の膜をつくり根自身を保護している

まわりまわる田。
むだなことはなにひとつない。
作業はおやすみしていても、冬の田は日々うごいている。


もう少し詳しく酸化鉄の膜のこと 
稲を化学する 〜その風景ぜんぶで田んぼ〜2006.12 tutinokai
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by tutinokai | 2008-01-15 09:00 | いのちの環

上陸前のカエルの子の死

d0021152_20251523.jpg5月にこうして
生を受けた、シュレーゲルアオガエルの子

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6月
ひとつの死がありました。


通常、生きているオタマジャクシをいっぱいみることはできます。
だけど、その死を目の当たりにすることは、それに比べるとずっと稀なことです。

あと、もう少しで、オタマジャクシからカエルへ。上陸だったのに。

だけど、実際には、卵塊のなかの100から300ほどの卵から、
大人になってまた田んぼに戻ってきてくれるのは数匹...

こんな光景は気がつかないだけで、日々繰り返されていること。
多くの死の先に生が存在する自然界。

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こうして5月に、出会えたカエルは、
たくさんの仲間のいのちの先にあるのだと

改めてその死を前にして
思った次第でした。
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by tutinokai | 2007-06-10 16:12 | いのちの環

鳥さんの落としもの

d0021152_140441.jpgこれはなんでしょう?

畦に
鳥の落としもの

落としもののなかの
つぶつぶは、
きっとクワの実の種

見上げるてみると、大きなクワの木がたわわに実をみのらせて、
畦道の上にかかっています。

きっと、落としもののなかのつぶつぶは、鳥が食べたクワの実の種。

d0021152_1441068.jpg畦には、いろんな草に混ざって、
実生のクワが生えていました。

ちょうど畦に、
熟して、落ちたクワの実や、
鳥の落としもののなかの種が、
着床して、発芽したのだと思います。


鳥の落としものもこうやって、他の生命とつながっている。
きっと鳥自身にそんな意識はないのだろうけど、
結果、鳥が果たした役割が実って、また鳥の食べ物になる。

いのちがふえる=たべものがふえる
いのちのにぎわいはゆたかです。

d0021152_143109.jpg*おまけ*

こちら、田んぼのなかに
落ちていたクワの枝。

雨風に吹かれ、枝ごと落ちたのかな?

こちらは実生にはなれないけれど、
田んぼの栄養になります。


すべて、なにかとつながる。それが、自然のすばらしさ。
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by tutinokai | 2007-06-10 16:10 | いのちの環

すべてのものの存在

d0021152_1649618.jpg藻のなかにいたオタマジャクシ。

稲のために、コナギをとり、藻をとる。

けれど、こうして
藻はたくさんのいのちを育んでくれる場所でもあるのです。
コナギもサカマキ貝のエサになり、
サカマキ貝はヘイケボタルのエサになります。

稲のために、コナギをとり、藻をとる。
けれど、すべてのものの存在には、つながるものがあるということを、
すべてのものの存在には、それを必要とするものがあるということを、
感じていたいと思います。


土の会white2005.6「いのちのリレー① コナギ」
土の会white2005.12「コナギの青い花が咲く」
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by tutinokai | 2007-06-10 13:49 | いのちの環

おとしもの

d0021152_18141694.jpgカラスが、
畦を散歩しています。
散歩しながら鳥たちは
”おとしもの”をしていきました。

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田んぼに落とした
"おとしもの”=フンは、
サクラの実かな?

こうして、田んぼの肥やしとなったり、
畦に落ちれば、実生の芽がでてきます。

鳥たちもちゃんと、田んぼの環のなかに生きています。
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by tutinokai | 2007-05-20 13:10 | いのちの環

たまご着水

d0021152_2092027.jpgシュレーゲルアオガエルのたまご。
これから水田となるのを
見計らって産んでいった親ガエル。

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そして今日、
母さんガエルの思惑どおり
水の張られた田んぼ。
たまご着水です。これで安心。
これで、オタマジャクシに孵って泳げるね。

人間の作業をよくみて、それを利用するカエルのいとなみ。
自然界に、私たちも(私たちの作業も)認められたようで、
その環のなかにいることを思うと、なんだかうれしい気持ちになります。

土の会2007.5.13「いのちの誕生」
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by tutinokai | 2007-05-20 12:16 | いのちの環

母なる草 ハハコグサ 〜ホソヒラタアブ編〜

d0021152_1381171.jpgハハコグサの茎に、涙型の蛹。
みたことあるぞ〜♪
ホソヒラタアブの蛹です。
ホソヒラタアブは、
田んぼでよくみかけるちいさなアブです。

そして、
ホソヒラタアブの幼虫の好物はアブラムシ。

d0021152_1394776.jpgお隣には、花ざかりハルジオン。
ホソヒラタアブはハナアブの仲間。
成虫は花の蜜を吸います。

その模様はハチみたい。
毒のないハナアブは、そうして
ハチに姿を似せて、
身を守っているのだそうです。
たしかに、「ハチだ!!」って思うよね。

d0021152_1401910.jpg複眼がくっついていないので、
メスのホソヒラタアブだとわかります。
(目がくっついているのがオス)

アブラムシを食べて育った幼虫が、
成虫となって、ハルジオンの蜜を吸う。

畦草たちは、こうして多くの
生きものたちを育んでいるのです。


↓このときのホソヒラタアブは、♂でした。
「アブ〜ン その生と死」土の会white2006.9
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by tutinokai | 2007-05-12 15:57 | いのちの環

母なる草 ハハコグサ 〜天道虫編〜

d0021152_01448.jpg「田んぼの学校 畦草調査」のために、
4月の畦草刈りをお休みした4番田んぼの畦は、
それぞれの草が成長し、丈も伸び、
花もつけている草もあります。
こうした5月の畦をみるのははじめてです。

ハハコグサ(母子草:キク科)も
黄色い花が咲きました。

d0021152_0123949.jpgテントウムシの幼虫がいました。
体のまんなかに赤い模様。

ナミテントウの幼虫です。
4齢幼虫。
幼虫の好物はアブラムシ。
てんとう虫が益虫たる由縁です。
蛹になる前日は、たくさんアブラムシを食べて、
栄養を蓄え、成虫になります。

幼虫の脱皮のあと  ハハコグサにたくさん付いていました。

d0021152_013541.jpgd0021152_0132572.jpg

ナミテントウの卵は2、3日で孵化し、幼虫はアブラムシを食べて育ち、
3回脱皮をします。
4齢幼虫になると蛹となり、羽化し、晴れて、てんとう虫になります。

d0021152_0152050.jpgおんなじところに、成虫もいました。
ナミテントウは、
黒字に赤星2つ(二紋型)がポピュラーですが、
他にも四紋型、紅紋型、斑紋型もいるそうです。

このナミテントウは、斑紋型。
(カメノコテントウに似ているけれど、
カメノコはもっと大きい)

幼虫の期間は2〜4週間。
畦草刈りをしなかったからこそ出会えたナミテントウ。
畦草が成長することで、虫もやってくる(やってきてしまう)。
(ここでいうなら、害虫にあたるアブラムシ)
そしてその天敵であるテントウムシもやってくる。
ちゃんと、そうして、うまくできてる いのちの環。


「テントウ虫」土の会white2005.5
「冬のおてんとさん」土の会white2005.10
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by tutinokai | 2007-05-12 15:54 | いのちの環