カテゴリ:いのちの環( 57 )

お茶碗いっぱいの尊さ

d0021152_17305699.jpgd0021152_1735083.jpg

d0021152_17405140.jpg
春、
一株4本植えで植えた苗は、

夏、
白い可憐な花を咲かせ、
実を結び

秋、
一株あたり15穂くらいになりました。
数えてみると、1穂あたり平均96粒くらいです。

脱穀をおえた籾は、12キロずつ袋詰め。総量34キロ。
今年は日照不足もあり、やはりかなりの減収です。d0021152_17374664.jpg
126㎡の4番田んぼからの恵み。
米俵はんぶん。

土の会の場合、収量からいうと約990束ほど。
なので、一株あたり15穂位として、
990×15で、14850穂。
1穂あたり、約100粒
(けっこうおまけ数字ですが)としたら、
1485000粒のお米粒。150万粒のお米。

d0021152_1739289.jpg精米をしたら、籾殻がとれ、糠がとれ、
6割位の重さになります。
20キロくらいですね。ん〜。

ちなみに、
お茶碗一杯(これは餅米だけど)は、
約2000粒。
すると、お茶碗750杯分のお米。
一日2食お米を食べるとして、
一人で一年分のお米の量。
四人家族としたら3ヶ月分位でしょうか
(少食の家族の場合です)。
※(基準として現代人は、一年に60キロ(一俵)食べると言われています。
 そんなに食べていないような気がしますが...)

昔の単位では、「一坪」は一人が一日に食べるお米がとれる面積。
一日三食三合計算(昔の人は今の2.5倍のお米を食べた!)。
ちなみに、昔より現代の方が3倍以上収量が良いそうです。
d0021152_1754864.jpgひとりの日本人が、
お米を生きてゆく糧として食べていけるためには、
どのくらいの土地が必要であるのか。
4番田んぼでは、一人分も大変だな、
ということがわかります。

1億人以上の人が住むニッポン。
日本の食料自給率。お米は100%です。
(他全体の日本の食料自給率は40%。)
田んぼの風景はどんどん少なくなっているけれど、
食の志向、お米離れも相まってか、
お米は、まだ自給率100%で、頑張っているといえます。

毎日食べている食料のほとんどを外国からの輸入に頼り、
しかも、輸入した食料の1/3をそのまま食べ残し=捨てているという現実。
多くの国で、日本のために食糧が作られている。
その作っている人は、安い賃金でその地主に雇われ、重労働をしている。
その人たちの多くの人たちはその作物を食べることはできない。

田んぼで汗し、自らの食について考えることも、
田んぼの作業の大きな意味のひとつだと感じます。
人の手。ひと粒、ひと粒。もったいなくて、拾う。
ひと粒のお米の種が100粒の実りとなる。
d0021152_17594277.jpg植物の、いのちの恩恵。

瑞穂の国ニッポン。
夏には青々とした田んぼを、
秋には黄金色の風に揺れる稲穂を思います。

「(いのちを)いただきます」の意味を
ひとりひとりが、もっとイメージすることが
必要なのだと思います。
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by tutinokai | 2006-10-26 13:28 | いのちの環

バッタった

7月、赤ちゃんだったバッタが成長して、みなさん立派になりました。

2006.7
d0021152_1873850.jpgd0021152_18102843.jpg

「イナゴ」の仲間 イナゴ科イナゴ亜科
(翅がお腹より長くないので、たぶん「コバネイナゴ」)
食草は、その名のとおりイネ。稲の成長とともに育つイナゴです。
イネ科やカヤツリグサ科を好みます。
イネ科のスズメノテッポウ、カヤツリグサ科のヒデリコと、
イナゴのおいしい草は、畦にいっぱいあります。

2006.9 ネットを握っている、仮面ライダーかお 「イナゴ」 
d0021152_18135175.jpgd0021152_1883345.jpg


d0021152_1532199.jpgこちらは...
畦のくさの上にバッタった。
親子なかよし

...そう思っていましたが
d0021152_15323326.jpg

                       2006.7
d0021152_15542243.jpg「オンブバッタ」
オンブバッタ科オンブバッタ亜科

夏、
小さい赤ちゃんバッタが畦を
ピョンピョン飛んでいました
稲にちょこんととまっていたり。

そして、成長したオンブバッタ。

オンブバッタは、親子ではなく、オスとメスだったのでした。
しかも、小さいオンブされている方がオス。
                       ネズミかお 「オンブバッタ」
d0021152_15472298.jpgなぜオンブしている、されているのかというと、
オスがメスを一人占めするため。
大人のオンブバッタがみられるのは、
8〜11月頃まで。そして今は恋の季節。 →

子どもの頃から信じて疑わなかった
ほのぼの親子の図...ではなく
なんとなくショックではありますが

キク科の葉っぱを好んで食べるそうです。
畦の植物でキク科というと、ハルジオン、オニタビラコ、ハハコグサ、オオジシバリ...
たくさんあるネ。
そして、オンブバッタの天敵は、ジョロウグモ。
今の時期、田んぼネットにたくさん巣を張っています。キケンもいっぱい。

田の草も、生き物も。
すべて繋がっていて、そのなかで、いのちが受け継がれてゆきます。
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by tutinokai | 2006-09-28 14:14 | いのちの環

稲ツト虫とヤドリ蝿

「稲ツト虫」については、田んぼで目立つ幼虫なので、以前から観察してきましたが、
土の会white「稲ツト虫。そして...」 2005.8  「稲ツト虫ものがたり」 2006.7

d0021152_0154274.jpg寄生者の現場を押さえました! →
稲ツト虫に寄生し、成長したヤドリ蝿が、
稲ツト虫の体から出て、蛹になった現場です。
稲ツト虫の体は、そうしてダメージを受け、
しぼんでしまったのだと思われます。


d0021152_016347.jpgこの状況はそここでみられています。
なぜなら...
稲ツト虫には、このヤドリ蝿をはじめ、
17種類もの寄生者がいるのです。
稲ツト虫、前途多難...


稲ツト虫の発生は多く、蛹になるために稲の葉をツト状にしてしまいますが、
あまり大きな被害にならないのは、蛹になるまでに多くの寄生者からの攻撃を受け、
(攻撃といっても、稲ツト虫自身は気がついていないから恐ろしい...)
固体数が急激に増加せず、結果、稲作のうえでもあまり影響はないのだと思われます。
稲ツト虫は害虫とだけみなし、もし農薬をまいたなら、
本来、稲ツト虫をやっつけてくれる寄生者も死んでしまうのでしょう。
その田んぼで、長い年月をかけて保たれてきたであろう自然のバランスが、
稲作にとってもきっと、人工では真似できない絶妙なバランス。

d0021152_017343.jpg稲の葉を折り曲げて、
苞(ツト)のなかで蛹になるのは、
せめてもの敵からの防除なのかなあ?

無事孵った稲ツト虫の成虫である
「イチモンジセセリ」
9月上旬にみられるのは、今年第2世代め。
卵から30日ほどで成虫になる
イチモンジセセリの一生。1年で3世代交代。

この後、お母さんイチモンジセセリは、卵を産んで、
その幼虫は、来年の田植えの時期まで、竹や茅、イネ科の草で越冬します。

  参照文献:「田の虫図鑑」農文協
驚異の寄生者の生き方についての記事はコチラ → 「寄生者」土の会white 2006.7
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by tutinokai | 2006-09-10 13:07 | いのちの環

なんだろう?から知ってゆく

田んぼをじいっと目線を低くしてみていると、だんだん生き物たちがみえてきます。
普段の目線からは知り得なかった世界。

ある生き物をみつけた時、「なんだろう」と思うことから新しい扉がひらきます。
そのときに、「愉しい♪」と思える気持ちはかかせません。

わからないことを、それと向き合いながら、調べたり、人に聞いたりします。
そうすることでわかったことは、「なぜそこにそれがいるのか」ということ。

知ってゆくことによって、それを知る前よりずっとその生き物のことを大切に思います。
そうやって、人と生き物の距離は近づいてゆく。

d0021152_23352220.jpgさて、
畦を歩いていた生き物がいました。
カラダに泥をつけ歩いています。

たぶん「ヤゴ」だと思われます。
が、日本に生息するトンボは200種以上。
同定はとても難しいです。
ですが、
9月のこの時期にいる「ヤゴ」だとしたら、
越冬型のトンボであることがわかります。
その200種のうち、田んぼでヤゴが暮らすのは34種。
田んぼでよくみることのできるトンボで、ヤゴ越冬型を考えると、
そのなかで一番可能性の高いのは、シオカラトンボか、オニヤンマです。
ずんぐりむっくりの体つきも、似ているような気もします。
オニヤンマは複数年ヤゴで越冬し、成虫になります。

調べていくと、「ヤゴ越冬型は、田んぼが乾いてくると生き延びられない」とあります。
(現在は冬に乾田なのが主流であることから、卵越冬型のトンボの方が主流といえる
=卵越冬型の固体数の方が多い。=オニヤンマはアキアカネより固体数が少ない)

d0021152_0493391.jpgみつけたのは畦。乾いてきた田んぼ。 
田んぼ撤退中だったのか!?
行く先はきっと、畦の脇の水路。
そしてオニヤンマの生息域は水路(流水性種)
シオカラトンボの生息域は池(止水性種)

推測の域を出ないけれど、
もし、オニヤンマのヤゴだったら、
これから数年後に
やっとオニヤンマになれるということ。

なるほど、
畦道は、人間だけが通るんじゃないんだな。
フンズケナイデヨカッタ... と感慨深い気持ちにもなるのでした。


   参照文献:「田んぼの虫の言い分」NPO法人 むさしの里山研究会編
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by tutinokai | 2006-09-07 13:34 | いのちの環

稲霊(いなだま)

d0021152_2242478.jpg去年もみかけた、
稲穂についたまるい黒い玉。
カビ臭がして、触ると手に黒い粉がつきます。
手でつぶすと、細かい粒子が舞い散ります。
そしてなかには、色が変わった稲籾。

稲籾を包んだ、まっくろくろすけ。
この正体は?

イナコウジ病(稲麹病)。
稲穂に、このイナコウジ菌がつくと、養分がとられてしまう。
周囲の籾の成長にも影響があるといわれる。
穂を結ぶ7〜8月に雨が多いと発病しやすくなる、といわれる。
確かに、今年は雨が多くて、日照も少ないようです。

そして...
調べてゆくと日本の食文化の歴史に辿りつきました。

イナコウジ病。イナ「コウジ」菌。「麹」。日本の食の原点ともいえる「麹」。
麹とは、米や、麦、大豆などの穀物や精白するときに出来た糠などに、
コウジカビなどの食品発酵に有効なカビを中心にした微生物を繁殖させたもの、とある。
麹菌を培養して得た胞子を乾燥させたものが、種麹(たねこうじ)。
米、麦、大豆などの穀物を蒸して、
それに種麹をつけて培養すると、表面に麹菌が繁殖する。
米で作るものが「米麹」。麹菌はカビの仲間です。

麹菌はカビの仲間なので、湿気を好む。
湿気の多い東南アジアと東アジアで麹は、もりもり発生する(アジア以外には麹はない)。
なかでも、日本は、「撒麹(ばらこうじ)」というもので、
他の国は「餅麹(もちこうじ)」。処理法と原料に違いがあります。
そうして日本の麹、「撒麹」は、日本独自の文化をもって今に至りました。


さてさて、イナコウジ病(イナコウジ菌)。
稲麹は、「稲霊(いなだま)」ともいわれ、
古の本には、
「麹子米(きくしまい)」というもので酒麹を作ったという記述があるそうです。
麹子米=稲麹のこと。
じめじめ日本の、自然のなかには稲麹があった。散麹の原型。

そうして、昔から「麹」は暮らしのなかにある。
お米から、日本酒、甘酒、酢。大豆からは、味噌、醤油...
日本人になくてはならない食の原点、「麹」。
麹菌は、必須アミノ酸やビタミン類などを作る。
麹には、人間が生きていくために不可欠な栄養がたくさん含まれている。
 

たしかに、イネコウジ病が多いと、稲穂が実らず困るのだけれど、
じめじめだったからこそ、イネコウジ菌が生き、
麹を利用し、日本人の今の食に至っている。
と、考えると、「ああ、困ったな」だけではない奥深いものを感じます。

稲麹は、「稲霊(いなだま)」。
昔の人は、ちゃ〜んとわかっている。
自然への敬いをもって暮らしてきたことがわかります。


補足トリビアですが、
イネコウジを食べるガの幼虫(「ヒメクルマコヤガ」)もいるそうです。
人間だけが稲麹を必要としているわけではないということでしょうか?

*「稲霊」は、稲全体をいう表現でもあるようです。
 (稲の中には、稲霊(いなだま)がいると信じてられていました)

    参照HP:フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)「麹」
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by tutinokai | 2006-09-07 11:41 | いのちの環

生きるための術

緑のカマキリがいます。茶色のカマキリがいます。

同じ種類のカマキリでも緑のものも、茶色のものもいるということは、
以前に記しましたが(「鎌切 カマキリ」土の会white 2005.8)、もう少し調べてみました。

d0021152_2381744.jpg「昆虫界の肉食恐竜」、
なんていわれたりするカマキリですが、
一つの卵塊のなかから生まれる子どもの数は
約200匹にもなるといわれます。

それだけ、強そうなカマキリであっても、
他の虫に狙われやすいということ。
子どものカマキリはもちろんだけれど、
大きな体に成長した強そうなカマキリでも、
空から来る鳥は、最大の天敵。
危険は常につきものです。 鳥は、目で物を見て獲物を探しています。

さてカマキリはどうするか?
カマキリの戦略は... カマキリは、色の産み分けをするのです。

d0021152_2383772.jpgオオカマキリは、
緑と茶色のまざっているのもいるが、
それ以外の日本のカマキリの成虫は、
緑、茶色のどちらか一色。

春先、草や木が芽吹き始める頃、
生まれたばかりのカマキリの赤ちゃんは、
クリーム色。
きっと枯れ草色の幼生の方が、
天敵に襲われるリスクは少ない季節。

そして、脱皮を重ねながら、緑または茶色の成虫になる。
枯れ草にいる緑のカマキリは、緑の草にいる茶色のカマキリは、
天敵の鳥にみつかってしまうでしょう。

カマキリは、その短い一生を生きる為に、周囲の色に合わせるという複雑なしくみより、
天敵の鳥にみつからない、
そしてまた、周囲の色と同じ体の色をもち、自身の狩りを有益にする、
そのために、沢山の子どもを産み、緑と茶色の体を半分ずつにすれば、
いずれかのカマキリは周囲の色に合って、生を繋いでゆける...
という方法をとったのです。

だけど、さすがの卵を産む親カマキリも、
その子ども達が過ごす、来年の夏を、その気候の動向を予測して、
緑が多い方がいいか、茶色が多い方がいいか、ということは、
緑の親であっても、茶色の親であっても予測することはできないので、
緑っ子、茶色っ子をちゃんと半分ずつ産むのです。

「多産」にすること、
そして、「先天的に適当に色がばらけて運がよかったものが生き残る」作戦。
(成虫に近づくにしたがって脱皮したときの周囲の色に合わせてゆくとの説もあります)

d0021152_2385019.jpgこうして、
カマキリを始め、生きものたちは、
この地球で「どう命を繋いでゆくのか」を、
様々な知恵を持って生きている。

しかし、人間は、人間同士で戦い争い、
「同じ人間をどう殺すか」の
頭脳に、科学に、まだ身を置いてはいないか。

「生きるために」 
この小さな生きものたちの方が、
カマキリも人間も暮らす、この地球号の行方に先見の名を投じているようにも思えたり...
人間はそのもたらされた頭脳をつかって、
生きることに新たな価値観(あるいは古き良き暮らし)を創造し、
奪うことではなく、
「いのちを守る」という一番大切なことに立ち返るべきではないのかな。

きっと、カマキリも言ってます。
「人間はちとでしゃばり過ぎたヨ。おんなじいのちでしょう」って。

d0021152_22315439.jpgそう、カマキリの名は「祈り虫」。
そう祈っていたりして!?

...ってやっぱりコワイです...

(胸の前でカマをそろえて静止する
独特のスタイルは、「祈り」を連想させ、
日本ではカマキリを「おがみ虫」、
英名でも「Praying mantis(祈り虫)」と呼ばれる。)

もうひとつのカマキリの記事 「hunter」土の会white 2005.9
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by tutinokai | 2006-08-08 15:14 | いのちの環

コミズムシの物語

d0021152_17551758.jpgネットと稲を結ぶ蜘蛛の糸。
その糸にかかった虫がいました。

コミズムシ。
土の会whitw「水のなか」2006.6

6月。
オール状の大きな後ろ足を休まず動かして
大いそがしのミズムシが、
田植えを終え、まだ水面が多くみえるd0021152_1912474.jpg水をたたえた田んぼの水のなかに
たくさんいました。    →

そして、8月。
コミズムシは、水生昆虫。
小さな虫を食べます。
そしてまた、
ヤゴなどコミズムシよりも大きな生き物に
食べられて...

田んぼの水のなかでは、
もうみつけることはできませんでした。
固体数が、この間にかなり減少していることがわかります。

水生昆虫のコミズムシですが、その翅で、空を飛びます。
調べてみると、夏の夜、燈火に飛来する、とあります。

空を飛んだコミズムシ。蜘蛛の糸にひっかかってしまったようです。
舞岡公園の田んぼは、夜灯りはありません。それは、生き物への、自然への配慮から。
コミズムシ。何処へ行きたかったのかな。
いのちの物語を感じる一幕でした。
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by tutinokai | 2006-08-08 13:54 | いのちの環

1/1000 のいのち

d0021152_21142383.jpg...
ざんねんな光景
何かの原因で、羽ばたけなかったトンボ

だけど、卵の数が3000〜5000個で、
そのうち羽化できるのは30頭。
もうここで、1/100以下の確率。
卵を食べられたり、
ヤゴのうちに食べられてしまったり、
こうして羽化できなくなってしまったり...
こういう理由。

そして
成虫となり、卵を産めるようになるのは、3頭。
1/1000 の命を繋げるトンボ。

大切に と、思います。  土の会 white 2005.6「自然のバランス」
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by tutinokai | 2006-07-27 14:13 | いのちの環

寄生者

稲の成長とともに、葉っぱを食べにいろんな虫がやってきます。
いろんな幼虫も。代表的な幼虫は、稲ツト虫、ニカメイチュウなど。
そんな幼虫(イモ虫)に寄生して生きる虫たちがいました。

d0021152_14141783.jpg小繭蜂(コマユバチ)の仲間です。
小繭蜂は、寄生蜂。

「寄生蜂」ってなんでしょう?
それは、
幼虫や蛹など生きた虫に産卵する蜂。
調べてみると...
未知の世界が広がります... コワイヨ。


蜂は、寄生する奇主(幼虫)の葉の食べ痕で、
その触角で、奇主が「いるな」と感じ、やって来て、奇主のカラダに産卵する。
卵とウイルスをすばやく産みつける。
奇主はそのウイルスの作用で、異物が入ったことに気づかない。
そして、卵は奇主の体内で孵り、
寄主を殺さず、かつあまり元気に生かさぬようにしながら、栄養を吸収して育つ。
奇主は元気もりもりに葉っぱは食べられないように=抵抗力がつかないように
蜂にコントロールされている。
そうして、蜂は生きるに最低限必要な栄養を奇主から受けて成長する。

そして...ある日とうとう
奇主のカラダを破って寄生蜂の幼虫たちが出てくる。
そして個々に繭を作り始め、幼虫たちはこの繭の中で蛹になる。
しかも、寄主である幼虫は、もちろんお亡くなりなってしまうのだけれど、
蜂の幼虫がたちが出たあとは、そこから動いて移動する(どいてくれる)のだそうだ。
それも蜂のコントロール...
そして、羽化した蜂は、また新たな寄主をみつけてゆくのです。フフフ...

...こわい話です。すごいです。

そしてさらにすごいのは、植物=稲!(なのかもしれません)。
寄生蜂が来てくれたら、奇主の幼虫は、もりもり葉っぱを食べられなくなるので、
植物は、自分(葉っぱ)が食べられてしまうことが少なくてすむのだ。

奇主の幼虫の食べ痕を触角で感じる寄生蜂。
植物が幼虫に食害されると、なんらかのシグナルを出し、寄生蜂を呼ぶのだそうです。
食害された植物が、寄生蜂を必要としているということ。

...ので、稲作をする人にとっては、
奇主の幼虫が、害虫。寄生する蜂が、益虫となるのです。
食うか食われるか、入り交じるバトルがあったのでした...

d0021152_1915890.jpg
こちらは、ヤドリ蝿の仲間の蛹。→
稲ツト虫に寄生するそうです。

参考HP 寄生バチをめぐる三角関係

こんな本もあるようです。
「寄生バチをめぐる「三角関係」」
高林純示・田中利治著 講談社

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by tutinokai | 2006-07-09 14:13 | いのちの環

稲作と虫たちの暮らし

稲の葉にいろんな虫たちが集まっています。
稲の成長とともに、虫たちが育っています。

d0021152_12481669.jpg幼虫が泥をかぶっているようなので、
「稲泥負虫」という名前。
泥の正体は実はフン。

実は区分でいえば、害虫なのでした。
天敵は、子守グモです。
けれど、
卵と蛹に寄生する蜂もいるという。


成虫は越冬し、田植えした田に卵を産みに来ました。
葉を食べる甲虫の仲間です。カブトムシの仲間なのだそうです。
成虫は赤と濃紺のツートンカラーで、首が細い姿から、
「イネクビホソハムシ」という別名があります。

d0021152_12485472.jpgこちらの稲泥負虫は、
背負った泥を脱ぎ蛹になる直前の様子

稲泥負虫が田んぼにいる時期は、
6月半ばから7月半ば位まで。
田植えから稲穂を結ぶまでのあいだ。

自然は、いのちは、
よくできているなあ〜、と思います。

成虫になって、また越冬し、田植えの頃に田んぼに戻ってきます。
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by tutinokai | 2006-07-09 13:41 | いのちの環