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エノキと生きる

d0021152_3544758.jpg5月
エノキの葉っぱに緊急事態発生!
なんだかきもちわるいですよぅ。

虫こぶ。または、虫えいとも呼ばれるそれは、
昆虫類(タマバエやタマバチ)、ダニ類、
アブラムシの寄生や、菌などにより、
刺激を受けた植物細胞が、
異常成長してできたもの。

日本では、569種の植物に虫こぶがつくられることわかっている。
虫こぶは、芽、茎、葉、蕾、花、実、根など、様々な部位につくられる。

さて、エノキにできた虫こぶの正体は?

その名は、エノキハトガリタマフシ(榎葉尖り玉付子)。

虫こぶの名前のつけ方にはルールがある。
植物名+虫こぶの出来る場所+虫こぶの形+フシが一般的。
なので、
エノキ+葉+トガリタマ(先がとがった球状)+「フシ」 = エノキハトガリタマフシ

なっとく!

虫こぶは、手でぽろりととれました。
d0021152_3553251.jpg中を開けてみると、
1匹の幼虫が入っています。

エノキトガリタマバエ
(虫こぶ名:エノキハトガリタマフシ)

ちなみに、
虫こぶにはタンニンが多く含まれていて、
染料や医薬品、食物として利用されている
とのこと。(ほんと!?)

d0021152_3561046.jpg6月
虫こぶが茶色になってきました。

エノキハトガリタマフシは、
エノキの新葉が出てくる直前に
羽化して産卵し、
葉が柔らかいうちに虫こぶを作る。
虫こぶは、
5〜6月に成熟し、地上にぽろりと落ちる。
そのまま地上で、虫こぶの中で
翌春まで休眠し、蛹化する。

私は、地面に落ちた時、エノキの近くに留まれるように、
マルではなく、トガリタマなんじゃないかなと想像します。

8月
もうほとんどの虫こぶはとれて、地面へ。
d0021152_3575291.jpgd0021152_358772.jpgそして、また春に羽化して、産卵して...
ああ、エノキハトガリタマフシの人生。
四季を、一生を、エノキと共に生きているのでした。
此処の雑木林に植えて2年目のエノキ。
去年、エノキトガリタマバエはぶ〜んと飛んで来て、エノキをみつけて、
「ココだ!」と生きてゆく場所を決めたのでしょうね。
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by tutinokai | 2006-08-20 15:42 | ムクノキ&エノキ日記

8月の糸トンボ

d0021152_22415390.jpg8月上旬の田んぼ
ふわりふわりと
稲の葉を舞い降りるように
渡り歩く糸蜻蛉がいました

稲の葉に雨粒のきらめき
糸トンボのいる風景は
とても綺麗

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イトトンボの同定はとても難しいです
オス、メス、そして成長の具合で
同じイトトンボでも姿は異なります。

たぶん
アジアイトトンボ♀か、
オオアオイトトンボ。


d0021152_23564536.jpg8月下旬の田んぼ
稲の白い花が咲くなか
黄緑の稲と紅い糸蜻蛉。

稲の小さな花のまわりを
散策するように飛んでいます。

アジアイトトンボの未成熟の♀
未成熟の♀は、きれいな茜色をしています。


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7月にみたのは、尾に美しい青い光沢のある
アジア糸トンボ(♂)?か、青紋糸トンボ(♂)でした。
今年は、4番田んぼで、3種類の糸トンボをみることができました。
「7月の糸トンボ」土の会white 2006.7
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by tutinokai | 2006-08-20 14:40 | 田んぼの生物

8月のとんぼ

あめの日も  晴れの日も  ネットを出たり入ったり

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d0021152_0502215.jpgムギワラトンボ
8月、よくみることができました。

d0021152_0506100.jpgムギワラトンボはシオカラトンボの♀の
俗称です。
シオカラトンボ♂の未成熟時も
黄色いトンボですが、尾のすみまで黄色いし、♀だと思われます。


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こちらは
畦に着地しているシオカラトンボ♂。
5月下旬から10月頃までみることができる。
田植えから稲刈りまで。
米作りの田んぼと、
ずっと一緒に過ごすトンボです

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シオカラトンボの仲間では、
いちばんよくみられるのが、
この「シオカラトンボ」です。
オスの方がメスより多くみかけます。
オスは田んぼの上をクルクルと飛び回り、
縄張りに余念がありません。

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4番田んぼではないけれど、
水路に張った縄の上に
トンボのツーショット。

左が、シオカラトンボ。
右が、オオシオカラトンボ。

オオシオカラトンボは、シオカラトンボと比べ、
翅が黒っぽく、全体の青みがつよく、大型。みられるのは7月から9月頃までみられます。

↓シオカラトンボ              ↓オオシオカラトンボ
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by tutinokai | 2006-08-20 14:21 | 田んぼの生物

雨宿り

↓イネミズゾウムシ             ↓ヒシバッタ
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田んぼに降る雨
葉が生い茂る稲のなか
虫たちは雨粒浴びて
じいっと
稲につかまり
時を過ごして

ひとやすみ ひとやすみ

                     ↓ガガンボ

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↓優形足長グモ
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by tutinokai | 2006-08-20 14:03 | 田んぼの生物

瑞穂

成長著しい8月。大切な時期。
2週間後には、「稲!」という感じにいよいよなってきていました。
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d0021152_1435215.jpg稲となる胚という部分と、
胚の栄養になる胚乳という部分がある。
スズメが大好き白いミルク(胚乳)は、
稲の赤ちゃんを育てるためのミルク。

ミルクの主な成分は、デンプンと糖。
光合成によって、
葉で作り出した栄養分をたくわえる。
大切なのは、穂の下の一枚の葉。

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ミルクはだんだんと固まって、
白いお米になっていく。
甘いミルクの胚乳(お米)を包む緑色の皮には
苦味がある。
スズメや虫から守るために、
外側は苦くして食べられないようにしている。

イネも、自己防衛。
頑張ってマス。
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by tutinokai | 2006-08-20 13:40 | 田んぼ通信

夏の畦

d0021152_0521458.jpg8月の畦。
ネットをとめているセイタカアワダチソウの茎が
雨に濡れて枯れています。
去年は、
茎から葉が出て、
類い稀なる生命力をみせたセイタカアワダチソウ。

そんなところからも
今年の日照不足を感じます。

d0021152_11658.jpgこちらはアゼムシロ(畦筵)の花
去年は4番の畦にはアゼムシロの花は
確認できなかったので、
隣の畦でみていました。
草刈りの加減で、発生も変わるのでしょう。

小さく可憐なピンク色の花。
かわいいです。

↓ヒデリコ                      
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↓アメリカセンダングサ            ↓オンブバッタが2匹でちょこん♪
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↓チョウジタデの仲間             ↓草刈りで草丈低く拡がっています
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                      ↓オヒシバ
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by tutinokai | 2006-08-20 11:50 | 田んぼの植物

Charlieさんのセミの話

d0021152_253014.jpg
ムクノキに夏のお客様です。
セミのヌケガラ。
ムクノキの下の方の葉にありました。

このヌケガラは何というセミでしょう。
よ〜く観察したらわかるヨ♪

横浜でよくみることのできるみれるセミは
5種類です。
「チーーーーー」のニイニイゼミ は、夏の訪れ
「カナカナカナ」のヒグラシ
「ジーッジーッ」のアブラゼミ
「ミンミンミー」のミンミンゼミ
「オーシツクツク」のツクツクボウシ そして、夏の終わり
関東で最近みられるようになってきたのは、「シャーシャーシャー」のクマゼミ
(地球温暖化の影響で、北上してきたといわれています)

抜け殻の特徴。それぞれ。
まず、ニイニイゼミは、小さくてまるっこい。土がついている。
低い場所でみつかる。草などにもとまっている。
ヒグラシとツクツクボウシも、小さくて細いからだの抜け殻。土はついていない。
アブラゼミとミンミンゼミが、よくみかけるサイズ。
クマゼミは、大きい抜け殻(まだ抜け殻は関東では珍しいものです)

とすると、ムクノキにやって来たセミは、アブラゼミかミンミンゼミのどちらかです。

d0021152_254933.jpgアブラゼミかはたまたミンミンゼミか。
決め手は、触角の違い。

7節あるうちの、
2番目と3番目の長さに注目。
3番目の方が長ければ、アブラゼミ。
同じ長さであれば、ミンミンゼミ。

d0021152_26878.jpgはい、ズームイン。
3番目が長くなっています。

というわけで、
アブラゼミ!

ムクノキに「アブラゼミ」がやって来ました。



ちなみに、ヒグラシとツクツクボウシは、触角が8節あります。
3番目と4番目の長さに注目。
4番目の方が長ければ、ヒグラシ。同じ長さであれば、ツクツクボウシです。

オスかな?メスかな?
これも抜け殻から知ることができます。

どこをみるかというと、おしりの部分。形の違いがあります。
オスは、まるい。              メスは、まるの上に2本のラインがある。
↓オス                   ↓メス
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d0021152_262757.jpgムクノキの抜け殻はどうでしょう?

おしりは、まるい部分だけです。

というわけで、
オス!

ムクノキに
「アブラゼミのオス」がやって来ました。

セミの出始めは、「オス」が多いのだそうです。
そして、一番みることができるセミはアブラゼミです。
一番スタンダードなセミだったということですね。

7年という長い月日を、土の中で過ごし、土から出て、羽化して一週間の命。
ジーッジーッと、鳴いているのはオスです。メスは鳴きません。
鳴くのは、オスのラブコール。
「ムクノキのアブラゼミ、オス」もこの里山で鳴いています。

さて、羽化しようとする時、コンクリートだったら出られない。
卵を産もうとする時、枯れ木がないと産むことができない。
(生きている木は、木の中に卵を産んだ後にその穴が木の成長により塞がってしまいます)

此処(里山)なら、安心だね。
土があり、雑木林の手入れがされ、枯れ木だってある。
ムクノキの成長に、この里山の未来を思い描くように、
セミのいのちへの安心も一緒にずっと続きますように。

セミの抜け殻からみえてくることがあります。
自然観察で大事なことは「生きものに迷惑をかけない」ということ。
抜け殻は、そういう意味でも優しいアイテムになります。
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by tutinokai | 2006-08-20 10:59 | ムクノキ&エノキ日記

8月の訪問者

d0021152_0314287.jpgd0021152_0312618.jpg8月の
ムクノキとエノキ

エノキの方は
去年と比べ
虫食いの葉が
とても多いです










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大物の生きものに出会っちゃいました。

エノキもムクノキも成長したものだ〜。


ムクノキにナナフシ(photo:右)
エノキにジョロウグモ(photo:下左)
エノキにカマキリ(photo:下右)


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by tutinokai | 2006-08-20 10:25 | ムクノキ&エノキ日記

処暑

カナカナカナ...ひぐらしの声  暑さ終わりの 処暑のころ 

d0021152_2392252.jpg大賀ハスの花が
ひらいた ひらいた

蓮の華は、かみさまの花。

d0021152_247820.jpg蓮の種は、
ポキっと頭を下げて、
茎の根元に種を落とすという

同じ条件の場所へと
また命の種をたくす知恵

葉をおどる雫 透き通るような優しさの色  花ひらくときの音、ぽんッてほんとかな
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by tutinokai | 2006-08-20 02:38 | 谷戸歳時記

生きるための術

緑のカマキリがいます。茶色のカマキリがいます。

同じ種類のカマキリでも緑のものも、茶色のものもいるということは、
以前に記しましたが(「鎌切 カマキリ」土の会white 2005.8)、もう少し調べてみました。

d0021152_2381744.jpg「昆虫界の肉食恐竜」、
なんていわれたりするカマキリですが、
一つの卵塊のなかから生まれる子どもの数は
約200匹にもなるといわれます。

それだけ、強そうなカマキリであっても、
他の虫に狙われやすいということ。
子どものカマキリはもちろんだけれど、
大きな体に成長した強そうなカマキリでも、
空から来る鳥は、最大の天敵。
危険は常につきものです。 鳥は、目で物を見て獲物を探しています。

さてカマキリはどうするか?
カマキリの戦略は... カマキリは、色の産み分けをするのです。

d0021152_2383772.jpgオオカマキリは、
緑と茶色のまざっているのもいるが、
それ以外の日本のカマキリの成虫は、
緑、茶色のどちらか一色。

春先、草や木が芽吹き始める頃、
生まれたばかりのカマキリの赤ちゃんは、
クリーム色。
きっと枯れ草色の幼生の方が、
天敵に襲われるリスクは少ない季節。

そして、脱皮を重ねながら、緑または茶色の成虫になる。
枯れ草にいる緑のカマキリは、緑の草にいる茶色のカマキリは、
天敵の鳥にみつかってしまうでしょう。

カマキリは、その短い一生を生きる為に、周囲の色に合わせるという複雑なしくみより、
天敵の鳥にみつからない、
そしてまた、周囲の色と同じ体の色をもち、自身の狩りを有益にする、
そのために、沢山の子どもを産み、緑と茶色の体を半分ずつにすれば、
いずれかのカマキリは周囲の色に合って、生を繋いでゆける...
という方法をとったのです。

だけど、さすがの卵を産む親カマキリも、
その子ども達が過ごす、来年の夏を、その気候の動向を予測して、
緑が多い方がいいか、茶色が多い方がいいか、ということは、
緑の親であっても、茶色の親であっても予測することはできないので、
緑っ子、茶色っ子をちゃんと半分ずつ産むのです。

「多産」にすること、
そして、「先天的に適当に色がばらけて運がよかったものが生き残る」作戦。
(成虫に近づくにしたがって脱皮したときの周囲の色に合わせてゆくとの説もあります)

d0021152_2385019.jpgこうして、
カマキリを始め、生きものたちは、
この地球で「どう命を繋いでゆくのか」を、
様々な知恵を持って生きている。

しかし、人間は、人間同士で戦い争い、
「同じ人間をどう殺すか」の
頭脳に、科学に、まだ身を置いてはいないか。

「生きるために」 
この小さな生きものたちの方が、
カマキリも人間も暮らす、この地球号の行方に先見の名を投じているようにも思えたり...
人間はそのもたらされた頭脳をつかって、
生きることに新たな価値観(あるいは古き良き暮らし)を創造し、
奪うことではなく、
「いのちを守る」という一番大切なことに立ち返るべきではないのかな。

きっと、カマキリも言ってます。
「人間はちとでしゃばり過ぎたヨ。おんなじいのちでしょう」って。

d0021152_22315439.jpgそう、カマキリの名は「祈り虫」。
そう祈っていたりして!?

...ってやっぱりコワイです...

(胸の前でカマをそろえて静止する
独特のスタイルは、「祈り」を連想させ、
日本ではカマキリを「おがみ虫」、
英名でも「Praying mantis(祈り虫)」と呼ばれる。)

もうひとつのカマキリの記事 「hunter」土の会white 2005.9
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by tutinokai | 2006-08-08 15:14 | いのちの環