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代かきあとの 「田の主、タニシ」

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泥の表面もなめらかに、
穏やかな田植え前の田んぼ。
水のなかの生きものたちもよくみえます。

うねうねと泥の表面に曲線がいっぱい
その先に、いました! 田の主「タニシ」。


みると、4番田んぼのそこここに、いるいるいるー。
3年前から、だんだん増えてきていてうれしいなあーと思っていた「田の主」
数えてみると、4番田んぼで80匹以上確認できました。
日当たりがよく、水温も若干高いであろう園路側の方が、多くいるようです。

年々多くなってきているといえど、
いっぺんにこんなにいっぱいのタニシを確認できたのははじめて。
なぜだろう?と考えました。

その殻を閉じ、じっと冬を耐え、乾田の田んぼで過ごします。
「田主」サンは、その名のごとく、その田んぼから外へは出ないと思われます。
タニシの繁殖は、田んぼに水が入ってから。
一匹の母さんタニシは、20〜30個の仔貝を産むのだそうです。
(卵ではなく、仔貝の状態で産まれます)
すれば、母さんタニシが5匹いたら、×20で100匹。 
みつけていた数は5匹以上です。...数からいえばそうおかしくはない数です。

代かきをした、泥が平らで穏やかな水面のときにしか、みられない光景なのかもしれません。

水の底をうねうね歩き、藻類や有機物を食べて(デトリタス食という)、
田んぼの水をキレイにしてくれます。田んぼのお掃除やさん。

代かきあとの 「田の主、タニシ」_d0021152_20334925.jpgみると、
なかには、とても大きなタニシもいます。
私はずっと、「マルタニシ」と思っていましたが、
「オオタニシ」も混ざっているかもしれません。

殻のカタチが同定の決めてのようです。
(大きく角ばっているのが、オオタニシ)
マルタニシ:殻高40mm、オオタニシ:殻高70mm

ふたつのタニシ。
特徴から考えると、左は大きいけどマルタニシ。右は小さいけどオオタニシ、かな?

オスとメスの違いは、触覚。右の触覚が曲がっているのが、オス。
オスの右触覚は生殖器でもある。
 ↓オス                     ↓メス
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白い触覚のタニシ、↑
黒い触覚のタニシがいる。→
これは、どう違うのだろう...?

田んぼをキレイにしてくれる、「田の主」タニシ。
水の精霊の化身。

里山の食用にもされ、貴重なタンパク源でもあり、
昔から親しまれてきた生きものです。

農薬などの影響で、今では
環境省はマルタニシ、オオタニシを準絶滅危惧種(レッドリスト)に指定しています。


(注)いっぱいいたので、舞岡公園では採取し、公式に現在このタニシを鑑定中。
   また、4番田んぼにかえっておいで。

「タニシ」について 「土の会」の記事
「田んぼの主 丸タニシ」2007.6
「水上散歩」2006.6
by tutinokai | 2008-05-17 16:30 | 田んぼの生物
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